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琉大の改正労働契約問題の県内紙報道続く

 琉球大学の労働契約法改正の対応の問題について、県内2紙での報道が続いています。

○沖縄タイムス 2013年3月13日
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1面の「大弦小弦」(朝日新聞でいえば「天声人語」のところ)にも琉大の社会的責任を問う厳しい言葉が述べられています。
 
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ウェブでも読めます。
「[大弦小弦]「法の目を盗んで、うまくやりなさい」…」(2013年3月13日)
 「法の目を盗んで、うまくやりなさい」と学生たちに教えたいわけではあるまい。琉球大学が非常勤教員に5年で雇い止めするという方針を示した

▼根拠となる改正労働契約法は、働き始めてから5年を超えた者を無期限で働き続けることができるようにするもの。目的は雇用の安定で、大学のやり方は法律を都合良く曲解したものと言わざるを得ない

▼こういった事態は、法が制定される前から懸念された。やすやすと曲解を許す制度設計に、悪意でもあったのかと勘ぐりたくなる。一方で大学側には、年々補助金が減らされていく事情があり、ほかの大学の動きも気になる

▼県内6大学で働く教員は2000人余り。そのうち非常勤は45・8%と半数に近い。小中学校の13・6%、高校の9・4%と比べても突出している。不安定な身分の彼らが大学教育に大きな役割を果たしている構図はいびつだ

▼教員だけでなく、専門的な知識を持つ学芸員や図書館の司書などの多くが正規職員になれない世情である。「日本を取り戻す」「教育再生」と掛け声は勇ましい。しかし教育・文化の担い手に冷たい政治こそ国の将来を暗くする

▼各大学で合格発表が始まった。胴上げされる受験生の笑顔がまぶしい。暖かい春が来るのに、学問の府の裏側の動きに気持ちが寒々とする。(具志堅学)

○琉球新報 (2013年3月15日)
 こちらも教育面で大きくとりあげられています。大学側の予算面からの改正労働法への対応理由、県内大学の対応情勢に加えて、非常勤講師の現在の状況を丁寧に取材してくれています。
 琉球大学はこのような非常勤講師の現状に耳を傾けて改正への対応を行ったのか、この対応が若手研究者の育成や学生の教育へどのような影響を及ぼすかの考察を行ったのかを問う記事だと思います。
琉大の改正労働契約問題の県内紙報道続く_d0075342_005853.jpg

 いつも力強いサポートをくださる「琉球大学教授職員会」の活動日誌でも記事をあげてくださっています。こちらはこの問題の持つ射程を示しつつ、記事の中で用いられている表現について注意を促す内容。記事とともにぜひお読みいただきたく、抜粋して転載します。「琉大の改正労働契約問題」(琉球新報)
 
そもそも労働条件に期限を設けるべきではないというのが基本姿勢だろう。

 言葉尻を捉えるつもりはないが、「学部の予算の範囲内で無期にすることはできる」「労働者を無期契約に転換するかどうかは、あくまで大学の判断」という表現は誤解を招く。改正法の趣旨はあくまで、長期化する有期雇用状態という現実との折り合いのなかで、労働者の選択として無期化への権利を保障したものなのではなかったか。

 研究者の立場のみに絞って考えても、切り詰められていく予算のなかで、大学という教育と研究を行う労働の特殊性、離島県の人材という沖縄固有の環境、加えて非常勤講師という「働き方」の選択とジェンダーや若手研究者育成の問題、などなど、大学という場所にこの法改正が適用されることが引き起こす複雑系がある。

 ただ、非常勤という働き方が、果たして働く者の「働き方の選択」なのか。自由な選択が保障されていないなかでは、「選択」としてのみ主張することの危うさのほうが先行する。ここでもやはり労働条件に期限を設けるべきではない、という基本姿勢が重要となる。権利が保障されなければならない。その大前提の上で、どのように折り合いを付けるのか、議論を精緻化しなければならない。

by okinawa-hjk-union | 2013-03-16 00:30 | メディア
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